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最初に断わっておくけど、私は二輪のプロじゃない。
四輪のジャーナリストとして日々自動車の評論を行っている、ただのバイク好きだ。そのバイクだって、乗りまくっていた女子大生時代以来、10年を越えるタイムラグを経て、昨年5月に大型免許を取得したっていう、れっきとしたリターンライダーである。
でももしこれを読んでいるあなたが、私のようにいくつかの時を経てバイクにもう一度乗りたい、その相棒としてホンダのアフリカツインを選びたいと思っているならば、ちょっとは参考にしていただけるんじゃないかと思っている。
昨年開催された東京モーターショーのホンダブースに展示されていたコレを見たとき、ある感慨が心に湧き上がってくるのを止められなかったことを、今もしっかりと覚えている。アフリカツイン、その大柄な、威風堂々たる佇まいたるや!
1980年代、かつて「世界一過酷なモータースポーツ」と言われたダカールラリーを駆け抜けて、ホンダを4度の優勝に導いたNXR750の血筋を直系で受け継ぐという、世にも男性的な乗り物であるのに反して、果たして展示されていた実物は、まるで背筋のすらっと伸びた白磁の肌の貴婦人のように気高い雰囲気を漂わせていた。
なんと抒情的なバイクなんだろう。
一瞬で釘づけになった。だけど、同時に「これはちょっと乗りこなせないだろうな」とも直感的に感じていた。だって、全長2.335×全幅930×全高1.475(mm)。もうなんしか大きすぎるんだもの。
展示車両の前でひとり、うんうん唸る不審な私に声をかけて下さった人がいた。HMJ(ホンダ・モーターサイクル・ジャパン)のSさんである。
「大丈夫、今回のCRF 1000L Africa Twinにはオプションでローシートを用意しています。ノーマル状態では870mmですが、ローシートとシート・アジャスト機構をフルに使えば、このポジションよりも5センチもシート高を落とすことが出来ますから、今井さんでもきっと乗ることができますよ」
ほ、ほんまですか!一縷の光とはまさにこのことである。身長162cm、体重は思い切って告白するけど52kg。そんなに飛び抜けてスリムなほうじゃないけど、こういう足つき悪そうなバイクを目の前にしたときだけ、ああ体重80kgくらいあったらもっと足着き良くなるんだろうなとため息が出る。もちろん身長があと10cm高くなってもかまへんのやで。しかし世の中には叶わぬ現実だってあるわけで、私はイマのカラダでバイクに乗る方法を模索するほかはない。
そうして、跨らせていただいたCRF1000L Africa Twinは、本当にちゃんと足が着いた。いや、お尻を左側にずらしてつま先でようよう、ではあったけれど、箸にも棒にもかからないなんていうリアル宙ぶらりんみたいな悲惨な状態ではなかった。
もしかして、私にも乗られるかもしれない。その期待は光明のように私の心を躍らせたのだった。
【ギャラリー】Honda CRF 1000L Africa Twin84
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【試乗記】いつかコレでサハラを走りたい! Honda CRF1000L Africa Twin:今井優杏 originally appeared on Autoblog Japan on Fri, 13 May 2016 04:00:00 EDT. Please see our terms for use of feeds.
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